4-3. 扁平足・外反母趾を改善するトレーニングとは?
扁平足と外反母趾は、足の変形としてよく知られていますが、放置すると足の痛みだけでなく、全身のバランスを崩し、膝痛、腰痛、肩こりなど、様々な不調を引き起こす可能性があります。
近年、これらの症状を改善するために、手術に頼らず、トレーニングによって足の機能を回復させるアプローチが注目されています。
本記事では、最新の研究論文や専門家の意見を参考に、扁平足と外反母趾を改善するための効果的なトレーニング方法を詳しく解説します。足元から健康を取り戻し、快適な毎日を送りましょう。
4-3-1. 扁平足・外反母趾の原因と影響:最新の研究から
効果的なトレーニングを行うためには、まず、扁平足と外反母趾の原因と、放置することで身体にどのような影響があるのかを正しく理解することが重要です。
4-3-1-1. 扁平足の原因:構造的な問題と機能的な問題
扁平足は、土踏まず(内側縦アーチ)が潰れ、足裏が平らになっている状態です。その原因は、大きく分けて構造的な問題と機能的な問題の2つに分類されます。
- 構造的な問題:
- 先天的な骨の異常: 舟状骨の突出、踵骨の傾きなど、生まれつきの骨の形状が原因となることがあります。
- 靭帯の緩み: 関節を支える靭帯が緩く、アーチを維持できない場合があります。
- 機能的な問題:
- 後脛骨筋(こうけいこつきん)の機能不全: 後脛骨筋は、足首を内側に動かし、アーチを支える重要な筋肉です。この筋肉の機能が低下すると、アーチが潰れやすくなります。
- 足 intrinsic muscles(足内在筋)の筋力低下: アーチを直接的に支える足の裏の小さな筋肉群の筋力低下も原因となります(後述)。
- 肥満: 過剰な体重が足に負担をかけ、アーチを潰してしまうことがあります。
- 不適切な靴: アーチをサポートしない靴や、ヒールの高い靴を履き続けることが原因となることがあります。
- 運動不足: 足の筋肉が衰え、アーチを支える力が弱まることがあります。
参考論文:
- 論文1:後脛骨筋機能不全と扁平足の関連性に関する研究 (例: Kulig K, et al. Arch Phys Med Rehabil. 2009)
- 論文2:足 intrinsic muscles の扁平足への影響 (例: Headlee DL, et al. J Bone Joint Surg Am. 2008)
4-3-1-2. 外反母趾の原因:遺伝的要因と後天的な要因
外反母趾は、親指が小指側に曲がり、付け根の関節が突出している状態です。その原因は、遺伝的な要因と後天的な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。
- 遺伝的要因:
- 足の骨格: 親指が長すぎる、足幅が広いなど、足の骨格が外反母趾になりやすい場合があります。
- 関節の柔軟性: 関節が柔らかいと、外反母趾になりやすい傾向があります。
- 後天的な要因:
- 靴: つま先が細く、ヒールの高い靴を履き続けることが最大の原因とされています。
- 足の筋力低下: 足指の筋肉や、足裏の筋肉が衰えると、親指が内側に曲がりやすくなります
-
- 扁平足: 扁平足は、足裏のアーチが崩れるため、足指に過剰な負担がかかり、外反母趾を悪化させる可能性があります。
- 生活習慣: 長時間立ち仕事をする、ハイヒールを履くなど、足に負担をかける生活習慣が影響することがあります。
参考論文:
- 論文3:外反母趾の遺伝的要因に関する研究 (例: Menz HB, et al. Arthritis Rheum. 2005)
- 論文4:靴の種類と外反母趾の関連性に関する研究 (例: Coughlin MJ, et al. J Bone Joint Surg Am. 1999)
4-3-1-3. 放置することによる影響:足だけの問題ではない
扁平足や外反母趾を放置すると、足の痛みや変形だけでなく、以下のような全身への影響が懸念されます。
- 足底筋膜炎、アキレス腱炎: 足のアーチが崩れたり、足指の変形によって、足底筋膜やアキレス腱に過剰な負担がかかり、炎症を引き起こしやすくなります。
- 膝痛、股関節痛、腰痛: 足の歪みは、身体全体のバランスを崩し、膝、股関節、腰に負担をかけ、痛みや変形性関節症のリスクを高めます。
- 猫背、肩こり、首こり: 足の歪みをかばうために、姿勢が悪くなり、猫背、肩こり、首こりを引き起こすことがあります。
- 転倒リスクの増加: バランスを崩しやすく、転倒のリスクが高まります。高齢者の場合、転倒による骨折から寝たきりになる可能性もあります。
- 運動能力の低下: 足の機能が低下すると、運動パフォーマンスが低下し、スポーツを楽しめなくなることがあります。
参考論文:
- 論文5:扁平足と膝痛の関連性に関する研究 (例: Gross KD, et al. J Athl Train. 2012)
- 論文6:外反母趾とバランス能力の関連性に関する研究 (例: Shibuya N, et al. Gait Posture. 2011)
4-3-2. 扁平足を改善するトレーニング:足裏の筋肉を呼び覚ます
扁平足を改善するためには、足裏のアーチを支える筋肉を強化し、アーチを再構築することが重要です。以下に、効果的なトレーニング方法をご紹介します。
4-3-2-1. タオルギャザー:足指の筋力強化とアーチの形成
タオルギャザーは、足指の筋肉を鍛え、足裏のアーチをサポートする効果的なトレーニングです。
こちらの記事を参考
方法: (以前説明した内容と同様)
ポイント: (以前説明した内容と同様)
期待できる効果: (以前説明した内容と同様)
参考画像/動画: (以前説明した内容と同様)
4-3-2-2. シーティングカーフレイズ:後脛骨筋を効果的に鍛える
シーティングカーフレイズは、後脛骨筋を効果的に鍛えることができるトレーニングです。
方法:
1.椅子に座り、膝を90度に曲げます。
2.足裏全体を床につけたまま、かかとをゆっくりと上げます。
3.上げた状態を2~3秒キープし、ゆっくりとかかとを下ろします。
4.15~20回を1セットとし、2~3セット行います。
ポイント:
- 膝が内側や外側に倒れないように、まっすぐ保つ
- かかとを上げる際に、足の内側の筋肉を意識する
- 負荷を高めたい場合は、膝の上に重りを乗せる
期待できる効果:
- 後脛骨筋の筋力強化
- アーチのサポート
- 足首の安定性向上
- 扁平足の改善

4-3-2-3. ショートフットエクササイズ:足 intrinsic muscles を活性化
ショートフットエクササイズは、足裏の小さな筋肉群(足内在筋)を活性化し、アーチを形成する力を高めるトレーニングです。
方法:
- 椅子に座り、足を床につけます。
- 足指を伸ばしたまま、かかとと足指の付け根を近づけるように、足裏を短く縮めます。
- この状態を5秒ほどキープし、ゆっくりと元の状態に戻します。
- 10~15回を1セットとし、2~3セット行います。
ポイント:
- 足指を曲げないように注意する
- 足裏全体を意識して行う
- 最初は難しいかもしれませんが、根気強く続けることが大切です
期待できる効果:
- 足 intrinsic muscles の活性化
- アーチの形成
- 足裏の感覚向上
- 扁平足の改善
4-3-2-4. バランスボール:体幹を鍛えて足元を安定
バランスボールを使ったトレーニングは、体幹を鍛え、足元を安定させる効果があります。
方法:
- バランスボールの上に立ちます。
- バランスを崩さないように、姿勢を保ちます。
- 慣れてきたら、スクワットや腕を回すなどの動作を加えてみます。
- 30秒〜1分間行います。
- 数回繰り返します。
ポイント:
- 最初は誰かに支えてもらいながら行う
- バランスを崩さないように、無理のない範囲で行う
- 視線を一点に集中すると、バランスが取りやすい
期待できる効果:
- 体幹の筋力強化
- バランス感覚向上
- 足首の安定性向上
- 姿勢改善
- 転倒予防

4-3-3. 外反母趾を改善するトレーニング:足指の機能を回復
外反母趾を改善するためには、足指の筋肉を強化し、親指を正しい位置に戻すためのトレーニングが必要です。
4-3-3-1. タオルギャザー:足指の筋力強化とアーチの形成
タオルギャザーは、足指の筋肉を鍛え、足裏のアーチをサポートする効果的なトレーニングです。

4-3-3-2. グー・チョキ・パー:足指の柔軟性を高める
グー・チョキ・パーは、足指の関節を動かし、柔軟性を高めるトレーニングです。

4-3-3-3. 足指広げ:足指間の圧迫を解放
足指広げは、足指間の圧迫を解放し、血行を促進するトレーニングです。
4-3-3-4. 母趾外転筋(ぼしがいてんきん)強化トレーニング:親指を正しい位置に戻す
母趾外転筋は、親指を外側に開く筋肉で、外反母趾の改善に重要な役割を果たします。
方法:
- 椅子に座り、足を床につけます。
- 足指をまっすぐ伸ばし、親指をできるだけ外側に開きます。
- この状態を5秒ほどキープし、ゆっくりと元の状態に戻します。
- 10~15回を1セットとし、2~3セット行います。
ポイント:
- 親指を反らせないように注意する
- 親指の付け根を意識して行う
- 抵抗バンドを使うと、より効果的に鍛えられます
期待できる効果:
- 母趾外転筋の筋力強化
- 親指を正しい位置に戻す
- 外反母趾の進行抑制
- 足のバランス改善
4-3-3-5. バランスパッド:不安定な状況で足指を鍛える
バランスパッドは、不安定な状況で足指を鍛えることで、足裏全体の感覚を鋭敏にし、足指の機能を高める効果があります。
方法:
- バランスパッドの上に立ち、足指でパッドを掴むように力を入れます。
- そのまま30秒~1分間、バランスを保ちます。
- 数回繰り返します。
ポイント:
- 最初は壁や椅子に手をつき、安定させて行う
- バランスを崩さないように、無理のない範囲で行う
- 慣れてきたら、目を閉じて行うと、より効果的です
期待できる効果:
- 足指の巧緻性向上
- 足裏の感覚向上
- バランス感覚向上
- 外反母趾の進行抑制
- 転倒予防

4-4. トレーニング効果を高めるポイント:継続と正しいフォーム
扁平足や外反母趾を改善するためのトレーニングは、継続することで効果を発揮します。以下のポイントを意識して、根気強く取り組みましょう。
- 毎日続ける: 毎日5分〜10分程度でも良いので、継続することが重要です。
- 正しいフォーム: 正しいフォームで行うことで、効果を高め、怪我のリスクを減らすことができます。専門家(理学療法士、整体師など)に指導してもらうのも有効です。
- 無理をしない: 痛みを感じる場合は、無理に行わず、休息を取りましょう。
- 適切な靴: トレーニングを行う際も、足に合った適切な靴を履きましょう。
- インソール: アーチサポート付きのインソールを使用することで、足への負担を軽減し、トレーニング効果を高めることができます。
4-5. セルフケア:トレーニングと合わせて行いたいこと
扁平足や外反母趾の改善トレーニングと合わせて、以下のセルフケアも行うことで、より効果的に足の健康を維持することができます。
- 足裏マッサージ: 足裏全体をマッサージすることで、血行を促進し、筋肉をリラックスさせることができます。足裏マッサージブログ記事へ
- ストレッチ: アキレス腱やふくらはぎの筋肉をストレッチすることで、足首の柔軟性を高め、足への負担を軽減することができます。
- 温熱療法: 足湯や温湿布で温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を緩和することができます。
- テーピング: テーピングによって、足裏のアーチをサポートしたり、親指を正しい位置に固定したりすることで、症状の緩和や進行抑制効果が期待できます。
4-6. 専門家による評価とアドバイス:より効果的な改善のために
扁平足や外反母趾の改善には、セルフケアやトレーニングだけでなく、専門家による評価とアドバイスを受けることが重要です。
- 整形外科医: 足の状態を診断し、適切な治療法(手術、装具療法など)を提案してくれます。
- 理学療法士: 個別の状態に合わせたリハビリテーションプログラムを作成し、正しい運動療法を指導してくれます。
- 義肢装具士: 足の状態に合わせた装具やインソールを作成してくれます。
- 整体師/セラピスト: 手技療法によって、足の骨格の歪みを調整し、筋肉のバランスを整えることで、症状の緩和や改善をサポートしてくれます。
まとめ:足元から健康な体へ
扁平足や外反母趾は、放置すると様々な不調を引き起こす可能性がありますが、適切なトレーニングとセルフケア、そして専門家によるサポートによって改善することが可能です。
- 扁平足、外反母趾の原因と影響を正しく理解する
- 足裏の筋肉を強化し、アーチを再構築するトレーニングを行う
- 足指の機能を回復させるトレーニングを行う
- 日々のセルフケアを習慣にする
- 専門家による評価とアドバイスを受け、最適な改善計画を立てる
足元から健康な体を目指し、快適な毎日を送りましょう。
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